
緑豆全書
— タンパク質を育てる —
アバウト佐々木
スマボン出版®︎
五分で仕込め。
土も肥料も、いらぬ。
三日で食らえ。
序
自宅でもやしを、育てる気にさせる本である。
リョクトウ(緑豆)は、マメ亜科の一年生植物。
ヤエナリ(Vigna radiata)の種子。
別名は、青小豆、八重生、文豆。ムング豆とも呼ばれる。
アズキとは同属。グリーンピースは別物。
もやしは、買うものだと思っている。
だから間違える。
本当の健康の意味すらも。
インド四五〇〇年の知恵がある。
現代の測定がある。
宇宙での実装がある。
同じ一本でつながっている。
もやしは買うものではない
ただ水に浸ける。
土も肥料も、いらぬ。
三日。
それで、食える。
乾いていた豆が、水を吸う。
ふくらむ。
殻がゆるむ。
割れる。
白い芽が出る。
もやし。
これは料理ではない。現象である。
動いているものを、そのまま食べる。
緑豆という選択
豆は、いくつもある。
だが、緑豆を選ぶ。
他の豆でも発芽はする。
だが、緑豆は早い。
失敗が少ない。
そして、変化が見える。
小さい。
緑。
変化が見える。
それが理由だ。
発芽という現象
乾いている。
止まっている。
水に触れる。
動き出す。
割れる。
出る。
生命は、外からではない。
内側から起こる。
この現象を、次の章で実際に起こす。
育てる
やることは、少ない。
だが、順序はある。
用意するもの
- 緑豆(乾燥豆/ムング豆)
- 水(常温)
- ボウル
- ザル、または水切りできる容器
スーパーの乾物コーナー。「緑豆」「ムング豆」で探す。割れていない豆を選ぶ。
全体サイクル
浸水する。
水を切る。
朝と夜にすすぐ。
水を溜めず、暗く置く。
目安は三日。
① 浸水する
豆をボウルに入れる。
豆の三倍から五倍ほどの水を入れる。
六時間から十二時間、浸す。
夜に仕込んで、翌朝から育て始めると分かりやすい。
② 水を切る
ザルにあげる。
水をしっかり切る。
ここからは、浸けっぱなしにしない。
濡らして、切る。
それを繰り返す。
③ 暗く置く
- 直射日光に当てない
- 風通しのよい場所に置く
- 常温で置く
- 暑すぎる場所は避ける
暗めに置くと、白くやわらかなもやしになりやすい。
④ 朝と夜にすすぐ
一日二回。朝と夜。
- 水を注ぐ。
- 軽くゆらす。
- すぐに水を切る。
- また暗く置く。
一回のすすぎは十秒から二十秒でよい。長くいじらない。
一日目
浸水後、水を切って育成開始。
夜に一度すすぐ。
まだ変化は少ない。
二日目
朝すすぐ。
夜すすぐ。
豆が割れ、小さな芽が出る。
三日目
朝すすぐ。
芽が一気に伸びる。
三センチから五センチほどになれば食べ頃。
注意点
水を溜めない。
浸けっぱなしにしない。
触りすぎない。
ぬめりや強い匂いが出たら食べない。
暑い時期は傷みやすいので、すすぎと水切りを丁寧にする。
水に触れる。
ふくらむ。
割れる。
出る。
ただ、それだけだ。
だが、そのただそれだけが、生命の起動である。
レシピ/味わい
採れたて。
洗う。
水を切る。
そのまま使う。
これが本来の味だ。
塩
ひとつまみ。指三本でつまむ程度。
油
小さじ一程度。香りづけでよい。
フライパン
強火で十秒から二十秒。一度返す。すぐ止める。
味噌汁
火を止める直前に入れる。煮込まない。
卵
卵を入れたらすぐ止める。余熱でよい。
ごはん
熱いごはんにのせる。醤油を少し。
火を入れすぎない。
壊すな。
また食う。
緑豆の価値
緑豆は、ただの豆ではない。
インド四五〇〇年の知恵、アーユルヴェーダにおいて、緑豆は「最も優れた食材の一つ」とされている。
消化に負担をかけず、体を整え、余分な熱を下げる。
病人にも与えられる。
それだけ安全で、強い。
現代の科学が裏付ける。
コーネル大学の研究では、発芽した緑豆は、ビタミン量の増加、酵素の活性化、抗酸化作用の向上が確認されている。
発芽は、栄養を起動させる行為である。
さらに、宇宙である。
NASAの研究でも、発芽種子は、短期間で収穫できること、高栄養であること、資源効率が高いことから、宇宙食として注目されている。
地球でも、宇宙でも通用する食材である。
偶然ではない。
古代も、現代も、宇宙開発も。
すべてが同じ結論に向かっている。
緑豆は、完成された食材である。
だから、使う。
終章
内側から引き出す。
ただ水に浸ける。
三日。
それを食べる。
それでいい。
それで足りる。
探す場所
スーパーの乾物コーナー。
または輸入食材店、自然食品店。
表記は「緑豆」「ムング豆」。
価格は少量なら二百円から四百円程度が目安。
あとはただ、
ご近所のスーパーへひた走れ。